Teaching ブログを書きながら、PENの会メンバーから学んできたことを改めて見直しています。教育のプロである小学校の先生方が英語を磨くと素晴らしいことが起きると実証してきた20年間だったと思います。 日本語で用事が足りる教室で、子どもが意味のある英語を口にする状況を作るためのキーワードは「半知」です。それは、絵カードを見せてセンテンスを教え復唱させる授業の対極にあります。
「半知」の状況を作るのは難しくありません。私は Tana Hoban作「LOOK BOOK」という写真絵本を何度も授業で使いました。
黒いページの中央に丸い穴が開いていて、何かの一部が見えます。
What is it? It’s a ( ). What do you think this is? I think it’s a ( ). という自然な会話を何度も聞かせることで子どもの中に定着します。ページをめくると、その何かの全体が見えます。
Right! It’s a cabbage! この構成が、食べ物、生き物の写真を効果的に配置して繰り返されます。
この絵本を一緒に読んだあと、子どもがペア・グループでクイズを出し合う活動をしました。準備したものは、様々な食べ物の写真カードと中央を丸く切り抜いた色画用紙です。子どもは、任意の写真カードの上に色画用紙を重ね「What is it?」「It’s a ( ).」の英語を言うことを楽しみました。
写真にはイラストと異なる力があります。現実の世界を教室に引き寄せます。渋谷徹さんは写真をわざとモノクロにして見せました。
What country do you think this is? What color are the mailboxes. のように問いかけ、子どもの反応を引き出してから、フルカラーで見せます。
アメリカのポストは青いのかぁ、と子どもはびっくりします。そのあと、イギリスは赤、エジプトはターコイズブルー、フランスは黄色、中国は青緑と続き、日本のポストを見せます。
絶対に赤、It’s red!と全員が英語を言います。しかし。。。
速達専用ポストは青いのですね。最後に、伝統的なポストを見せます。
What color?と問いかける手法としてのモノカラーの写真の使い方に本当に感心したのでした。私たちが当たり前に思っている色は文化の一部ですから、この授業は異文化に関心を持つきっかけにもなります。博物の知能=nature smartを活性化させる授業です。