古稀日記 1月12日 【traveller’s checks】

村上春樹の小説が好きです。頻繁に海外に行っていた頃、空港で「風の歌を聴け」を買って、日本語のソースとして持ち歩きました。そのため、風の歌の文庫本が数冊うちのあちこちにありました。

村上春樹ファンはハルキストと称しますが、村上さん本人は「村上主義者」としてもらいたいそうです。ま、私はなになに主義者と名乗るのは好きではないので、ハルキストです。ハルキストはUNIQLOの村上春樹Tシャツを大人買いします。「スプートニクの恋人」は前にタイトル、後ろに本の表紙のイラストのモノカラー版です。

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「スプートニクの恋人」は、時々読み返して、登場人物と再会します。数日前「ぼく」が急にギリシャに行く章で「銀行のカードで現金を出し、ドルのトラヴェラーズ・チェックにかえた。」という一文で、そういえばトラヴェラーズ・チェックが海外行きに必須だったわ、と思い出しました。

1枚に2箇所サインするところがあり、チェックを購入するとまずは全部にサインを入れ、使用するときにカウンター・サインと言って2箇所目にサインをするのでした。その頃は飛行機の搭乗券があらかじめ手元に届いていたと思います。目的地に着くと航空会社にconfirmationという電話を入れ、帰りの便をconfirmしました。それがいつだったかeチケットになり、「この紙一枚で帰りも?」と、無くさないように気をつけました。今や、全部デジタルになり、QRコードを読み取ってもらって搭乗するようになりました。隔世の感があります。

以前スプートニクを読んだときは、トラヴェラーズ・チェックで回顧モードに入ることはありませんでした。今は時間がたっぷりあるのと、古稀の人生振り返りシステムが作動しているのでしょうかしら。

「ドライブ・マイ・カー」を原作とする映画が海外で賞を獲っているとニュースを見て、これもまた再読しています。

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