ウクライナの子どもたちとのオンライン授業12回目を振り返ります。
NGOウェブサイトの案内は「 We will read “The Toys’ Party.” What kind of cake will Kipper make for the party? We will play memory games and sing “I Want a Cake” song. Then we will review Brush Your Teeth Song and the Alphabet Chant. Bring your toothbrush! 」としました。また、対象年齢は6~10歳。
6月14日のWhat a Bad Dog!と同じ要領keynoteプレゼンを作りました。対面なら、指差して話を進めるところは、矢印や丸を出現させ、本文を読んでいることが明確に伝わるように、本文の下に線をワイプさせました。下線は2本用意しました。Kipperが持っているコーンフレークの箱、テーブルの上にひっくり返っている牛乳パックは、回転させて拡大し、子どもが文字を読めるようにしました。
最終ページのKipper was sorryのsorryはキーワードですが、happyやsadより理解が難しい単語です。sorryをウクライナ語で調べると「ヴーバチュテ」で、毎日発音を聞いて真似して練習しました。
co-teacherの彩子先生に、What’s Missing?ゲームを担当してもらうことになりました。とても上手に指導されました。そのあと、私がMatching Gameを担当したのですが、ここで、子どもたちが大興奮して、Three, three, threeのように答えを連呼したので、モデレーターのAさんが一旦全員ミュートにして、ウクライナ語で子どもたちに、何度も同じことを言わないように注意しました。What’s Missing?ゲームでは、裏返しになった絵カードが何だったか思い出すタスクと、Sugarのように英語の単語を答える言語のタスクのバランスが取れていますが、Matching Gameでは、言語タスクが子どもたちにとって簡単なので、数字の連呼になってしまったようでした。次にMatching Gameをするときは、センテンスで答える設定にして、言語タスクのレベルを少し上げようと思います。
この日は先生の参加がありました。ビデオ参加で最初からお顔が見えているので、機会があればお話ししたいと思いました。授業が終わる頃に、呼びかけてお話ししました。小学校の先生で、低学年を教えていて、ORTを使っているとのことでした。ウクライナの小学校の先生とお話ができるなんて、オンラインの恩恵です。Ayako and I stand with Ukraine. We are very happy to meet Ukrainian children.と気持ちを伝えることができました。
6月21日 オンライン授業 The Toys’ Party
0)入室すると、モデレーターはAさんで、とても元気そうだ。毎週参加する子どもが何人もいるので、名前を聞いてと頼んだ。すると、Aさんは親切にキリル文字で親の名前が表記されている部分を、子どもの名前を英語表記に変更してくださった。文字が読めるのは、こんなに楽!
1)Hello everyone. I’m very happy to see you. I’m Setsuko. ヤ・ヴクラダーチ。You have two teachers today.と彩子先生を紹介。今日初めて参加の子どももいると思うので、重複を承知で、前週と同様、日本ではsenseiと呼びかけることを話した。
2)Good morning song. の後、What’s the weather?を絵カードうちわで。カレンダーのプリントアウトを見せて、June 21stを復唱させた。Todayのウクライナ語 [soho~dni] を言うと、子どもが小さくうなずく。モデレーターのAさんは「やったね」という感じでニコニコしてくれる。
3)Today we will talk about cakes. What kind of cake do you like? What do you need to make a cake? Sugar、milk、flour, eggsと聞かせながら実物を見せた。Kipper is going to put in different things in a cake. Cornflakes, tomato sauceと言いながら実物を見せた。Ayako sensei, do you have something?と呼びかけると、彩子先生が新潟市でゲットしておいたBaked Beansの缶詰(三条では売っていない!)を見せてくれた。Do you like beans?と問うと、I don’t like beans.という子どもがいた。これで、絵本を読む準備ができた。
***私が見せた砂糖、牛乳、小麦粉、コーンフレーク、トマトソースは日本製品で英語表記が無かったので、英語を聞かせながら見せ、少し日本に触れさせることができたかと思う。***
4)画面共有してキーノートを見せる。今回初めてORTを読む子どももいるので、Kipper’s familyとFloppyの紹介スライドを入れた。絵を見て話し合い、問いかけ、子どもはミュートを外して思ったことを言う。本文を読む前に、Let me read the story. と定型を言う。こうすると、私が英語で話しかけているのか、本文を読んでいるのか、区別がつく。また、本文の下に線をワイプで出現させる。最初の線を消去して、Do you want to read? Let’s read it again.のように言い、2本目の線をワイプで出現させる。これを待たずに自分で本文を読む子どももいた。
絵本に続けて、以前藤沢京美先生とTTした際に子どもがケーキの絵を描いている写真(顔が映ってるいない)と子どもが描いたケーキの絵をスライドにして見せた。画面共有を解除し、Do you want to draw a cake? If you draw a cake, show it to me next week.と言った。授業が終わる前に、2人の子どもが絵を描いて見せていた。来週の授業の最初に忘れずにDid you draw a cake?と聞こう。
5)I Want a Cake Song: 歌のタイトルを教えるとき、I want a cakeをウクライナ語で言った。前週のI want a dog.は「ヤ ホーチュ スバーコ」で、cakeは「トールトゥ」(ルは巻き舌)である。トールトゥはフランス語のtarteとほぼ同じなのですぐに覚えることができた。
I want a cake. I want a cake. Put in ( ). I want a cake.と歌詞を見せ、The Farmer in the Dellのメロディーで歌ってみせた。子どもはすぐに一緒に歌った。Put in ( ).の単語は絵カードで見せ、Kipperがケーキに入れたもの6種類を歌った。
6)What’s Missing? ゲーム。Kipperがケーキに入れた6種類のものの絵カードを3種類ずつ使用した。Matching Gameは、本当にケーキを作るときの材料[milk, flour, sugar]の3種類で、1種類2枚ずつプリントして、裏に1~6の数字を印刷。
7)ここで、紙の絵本をめくって見せながら、ストーリーを読んだ。一緒に読んでいいよ、と言って読み始めたが、子どもはじっと聞いていたようだった。コマ切れでなく、ストーリーを一つのかたまりとして聞くのは、After-Readingとして、意味のあることだと思った。
8) Brush Your Teeth Song. 歯の模型と歯ブラシを動かして歌った。ギャラリービューで見ていると、私と全く同じ動作をしながら体全体で踊っている子どももいる。私だって小さい時にこんな楽しい歌で歯磨きを習ったら、もっとちゃんと歯磨きをしていたと思う。
9)Alphabet Chant: We learned Cc cake. Tt teeth. Ayako sensei will add some words. (絵本の表紙を見せて彩子先生が)Today we learned Tt toy. Pp party.
10) Good-bye song.
2月にウクライナ侵攻が始まって4か月、なかなか終わりが見えませんね。いつもオンライン授業の内容を細かく紹介してくださりありがとうございます。毎回様々な工夫を重ねていらっしゃって、”通常の授業”をしている私たちにも参考になることが色々あります。ORTはウクライナの子どもたちにも馴染みがあるとのこと、どのお話も年数が経っても普遍的な楽しさがあるのでぴったりですね。最近あまり読む機会がなかったので、また授業で使いたいと思いました。
「子どもたちが大興奮して・・(中略)答えを連呼したので、モデレーターのAさんが一旦全員ミュートにして」とありますが、普段の小学校でもよくある場面です。対面では「ミュート」にはできないので(笑)クラスマネージメントが必要ですね。
P.S.以前シェアしてくださった「動物の歯の数クイズ」は小学校3年で実践させて頂き、大好評でした。お礼まで。
よりたん、コメントをありがとうございます。Teaching Blogが少しでもお役に立ちましたら嬉しいです。
よりたんコメントを拝読して、洒落た表現に感激。「対面ではミュートにできない!」(笑)オンラインでできて対面でできないことはミュート。と、考えていたら、協同学習のQuiet Signalは対面授業における効果的なミュート機能だなぁと思いました。来週のオンライン授業ではNew Trainersを扱う予定です。