【Teaching Children Online #19】9月1日 オンライン授業

ウクライナの子どもたちとのオンライン授業19回目を振り返ります。

NGOウェブサイトの案内は、「we will read “David Goes to School!” and learn about things in the classroom. We will take a look inside a Japanese school.  If time allows, we will review the Alphabet Chant.」としました。対象年齢は6~10歳。当日Smart Osvitaのウェブサイトを確認すると、対象年齢が6~12歳になっていました。連絡は全てメールですから、どこかでミスが出たのでしょう。結果、いつもより高学年の子どもの参加が多かったようです。 

zoomが繋がると、モデレーターは初対面の女性Aさんでした。彼女は、開始数分前にメインティーチャーの私だけを入室させ、1対1で打ち合わせをしてから、待機室の人たちを入室させる手順でした。彩子先生をco-hostにしてくださいと依頼すると、「見つけられない。読めない文字の人がいる。入室してから見つけましょう。」ということになりました。その後、無事彩子先生を確認しました。

8月最後の授業です。9月は学校が始まります。戦時下のウクライナでは多くの学校がオンラインで授業をするそうですが、今日は学校をテーマにしました。絵本「David Goes to School」を読み、浩子先生が勤務する長野の市立小学校6年2組のKeynote、彩子先生撮影の敬和学園大学紹介のKeynoteを見せることにしました。

この長野の市立小学校の校長先生はとても理解のある方で、学校の写真を快く提供してくださり、子どもの写真が入っているKeynoteを授業で使用することも快諾してくださいました。子どもはみんなマスクをしているので顔が特定できない、というコロナ禍で唯一の利点があります。また、学級の子どもたちは担任の浩子先生がウクライナの子どものオンライン授業をサポートしていることを知っていて、自分たちもできることをしたいと、撮影に協力してくれました。

彩子先生は、敬和学園大学の様子をKeynoteに作成し、小学校紹介のKeynoteにつけたキャプションに合わせて英語をつけ、2つのプレゼンテーションにcontinuityを持たせてくれました。実際に会わなくても、メールやzoomミーティングで準備作業は進行しました。

8月30日   David Goes to School

1)Greetings:何度か参加している子どもに名前を確認し、少し会話する。屋外にいる子どもが数人いる。快晴なのがわかる。

2)Good Morning Song:カレンダーを見せる。 ウクライナ語の8月 [serpen]を言ってみせるとうなづいてくれる。Augustと聞かせる。August 30thを練習。You have to stick out your tongue for “thirtieth”と何回か見せて練習する。日本の天気を言って、子どもがいる場所の天気を聞く。

3) 絵本「David Goes to School」:goodをthumb upで、badをthumb downで確認。ウクライナ語のgood(ドーブレ)とbad(ポハーノ)を言うと、子どもがニコニコしてくれる。絵本を読む。本文には下線をワイプさせた。ページごとにIs this good or bad?と問うと、子どもがthumb downの動作をしながらbadと答える。終盤のDavidが机に絵を描いたところで、英語の運用能力がとても高い少年Pさんが「Setsuko, I want to see David doing a good thing.」と言ってきた。悲しい顔をしている。ずっとbadを言い続けることが苦しくなったのだろう。感受性の豊かな子どもだ。「Maybe David will do something good on the next page. Let’s see.」と答えて次ページに進んだ。Davidが教室の机を全部ピカピカに磨いた場面で、Pくんの表情が明るくなった。読み終わって、Did you enjoy the story?と聞くと、みんなニコニコしている。Davidの絵本は他にもあるので、また別のを読みましょうと告げた。

4)長野の小学校の紹介:Today we have a special guest. Hiroko sensei is an elementary school teacher in Nagano.と紹介した。ここで、浩子先生がビデを参加して顔を出した。教室前方の黒板を背景に自己紹介をし、簡単な日本地図で長野の場所を示した。画面共有をして、スライドショウを見せた。日本の学校では上履き(indoor shoes)を履くので、下駄箱の場面を見せた。子どもがマスクをしていることに言及し、日本はコロナの状況が悪化していて、子どもも先生も全員マスクをしていると教えた。教室の様子、給食の様子などを見せた。最後に6年2組の子ども全員が「Hello, Ukraine! We are all friends! We stand with Ukraine. See you!」と呼びかけた。ウクライナの子どもたちはみんな喜んでいた。

5)敬和学園大学の紹介:彩子先生にバトンタッチした。キャンパスにある木々、学生ラウンジ、自動販売機、体育館、様々な教室を見せた。

6)ここで、マスクをして見せ、日本では公共の場に行く時、必ずマスクをしなくてはならないと説明した。それではつまらないので、にっこりマスクを作ったこと、白いマスクにはウクライナの国旗を小さく描いていることを見せた。すぐに反応して、ウクライナ国旗を持ってきて見せてくれる子どもがいた。また、ウクライナではもうマスクはしないと教えてくれた子どももいた。

7)Let’s play a game.と言い、bag, book, pen, pencil, eraser, rulerの6種類の絵カードを使って、What’s Missing?とMatching Gameをした。高学年の子どもには容易なゲームだけれど、オンライン授業では難しくて複雑なゲームは避ける方が良い。また、ゲームは単語を発話させるのが目的なので、簡単にして楽しませるのが良い。Matching Gameでは、最初に1枚選ぶのはモデレーターのAさんを指名した。もう1枚は何番か問い、Don’t say it. Type in the answer in the chat box.と言うと、Aさんがすぐにチャットボックス機能を使えるようにし、子どもの反応を見て、Five and six.のように、私に教えてくれる。授業をずっと見守るモデレーターがいるのは心強い。2組マッチして残りの2枚は。。。と話しながら絵カードを操作していると、絵カードを留めたマグネットボードがカメラの外に出てしまっていた。彩子先生に指摘されてカメラに映るように戻した。毎回、異なった失敗をしてしまう。

6)ここまでで、45分経過したので、Alphabet Chantは行わなかった。ウクライナ語、英語、日本語で学校の単語を書いておいたボードを見せ、3ヶ国語で言った。外国語の単語を復唱するのはとても難しい。前回の授業終わりで、カボチャを3ヶ国語で言ったが、ウクライナ語を聞き取るのは難しかった。子どもは日本語のカボチャが難しく、Pくんが一所懸命「ka, bo, cha」と区切って復唱してくれた。学校(gakko)は2音節なので、復唱できる子どもが多かった。We are tri-lingual!と言って、思わず、Yay!と言ってしまった。

ウクライナ語は[スコーラ]と読む。[シュ]に近い[ス]。

7)Good-bye Song:It’s time for Good Bye Songと言うと、様々なぬいぐるみがさっと画面に現れる。子どもがぬいぐるみを待機させていたのがわかる。モデレーターのAさんもぬいぐるみを持って歌った。このオンライン授業は、いっときでも、子どもを明るい気持ちにさせ(distract children from reality)、学習要領に沿っていなくても、何らかの学習を促進させることが目的である。モデレーターのAさんを含め、Smart Osvitaのスタッフ・ボランティアたちが、戦時下の子どもの心の健康を最優先にしていることを、Aさんの対応から改めて感じた。

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