タイトルのF2Fというのはface to face、つまり対面のことです。オンラインと対面では、様々な差異がありますが、昨日キャシーとzoomでおしゃべりした時は、ほぼ対面のような感じでした。私はデスクトップのiMacなので固定されていますが、キャシーはラップトップを持って歩き回り、家の中を見せてくれました。600坪の敷地に建つ大きな家です。購入した時に、前の住人が置いていった家具もあり、We have a lot of sofas!とのこと。Japanese Roomと呼ぶ空間には、日本人形やお茶道具が飾られています。こちらの朝9時、ミネソタの夕方7時に会いましたので、キャシー家のサンルームで話している間に、外が段々暗くなりました。
「教材についてちょっと意見を聞きたい」ということでzoomで会いました。1年前、日本を去る直前にiPhoneのFace Timeでおしゃべりして以来、連絡はメールだけでしたから、顔を見て話すのは、とても嬉しいことでした。
近所にウクライナの若い夫婦が避難してきたそうです。スーツケース1つで来た二人を、コミュニティーで支援しているそうです。奥さんは英語が上手なので、仕事が見つかりそうだけれど、専門職の夫は英語ができないので、これから英語を勉強しないとならない。そう、ウクライナの難民は、避難した先で仕事を見つけて自立・自活する人が多いので、いわゆる「難民」というイメージとは異なります。このことは、昨日午後ユニセフ・トークというウェビナーで詳しく聞くことができました。
ユニセフ・トーク『ウクライナ:難民となった子どもたちの今』という1時間のウェビナーを視聴しました。ユニセフ東京事務所副代表、根本巳欧氏は、今年5月から8月までブルガリア事務所に緊急支援調整官として勤務しました。ブルガリアには70万人のウクライナ人が避難しています。ブルガリアはウクライナと国境を接しいないけれど、文化的にも言語的にも共通点が多いそうです。ブルガリアは東欧のリゾート地なので、リゾート施設を解放してウクライナ難民を受け入れました。いわゆる難民キャンプは存在せず、ブルガリアの各地の様々な施設や住宅にウクライナ人が住んでいるのです。この人たちは、戦況が収まったウクライナに帰国したり、ドイツなど別の国に移動したり、常に流動的なので、その把握にはSNSを活用するそうです。
ウクライナは成人男性の出国が禁止されているので、難民の多くはお母さんと子ども(たち)です。いったん、住む場所を得たら、お母さんたちは仕事を得て生活を支えます。就職の紹介、託児もユニセフの緊急支援活動に含まれているそうです。
そういう状況で子どもたちはどうしているか。コロナ禍で教育のIT化が進んでいたので、ウクライナの公教育の授業がオンラインで提供され、子どもはスマホで授業を受けるという状況です。これは、素晴らしいことのようですが、オンライン授業を提供しているウクライナは戦時下なので、授業の途中で空襲警報があり、授業が中断され、「みなさん防空壕に避難しましょう」という状況をリアルタイムで経験してしまうこともあったそうです。また、ウクライナが提供するオンライン授業を受けるので、避難先の地元の学校に行来ません。学校に行って友達と会う・遊ぶという社会的経験が少ないというマイナス面を補うために、ユニセフが子どもたちを集めて、様々な活動を経験させるそうです。
緊急支援調整をする中で、ブルガリア国内の貧困層、ウクライナ以外の国からの難民の支援もおこなったそうです。ユニセフの支援活動を具体的に知る貴重なウェビナーでした。
私がボランティアとして提供しているオンライン授業は、繋がるまでどんな子どもが何人参加するかわからないという難しい条件ですが、子どもに共通しているのは、戦時下のストレスがあることです。そのストレスは、空襲警報の怖さかもしれないし、親の緊張が伝わっているのかもしれないし、学校に行って友達と一緒に遊んだり勉強したりという「普通」が無いことかもしれない。英語を教えることと、そのストレスを和らげる(distract children from reality)ことの二本立てで来週の授業も取り組もうと思います。オンラインだけれど、本当に会っているような気分にさせるにはどうしたら良いか工夫しよう。