昨日1月7日、国立劇場に行ってきました。小劇場で踊りの会があり、大学の同級生Kさんが「鷺娘」を踊ったのです。コロナ禍になって初めて、つまり3年ぶりの国立劇場でした。建て替えが決まっている国立劇場ですので、今回出演したいお弟子さんが多く、子どもから大人、初心者から名取りのベテランまで、午前11時から夜まで20以上の演目が並びました。
「鷺娘」は玉三郎の踊りがシネマ歌舞伎になっているほど有名で、人間に恋したことを罰せられる鷺の精が最後に死にます。友人Kさんから「私が踊る鷺娘は死にません。玉三郎バージョンでは責められて羽ばたきながら憐れに死んでしまいますが、今回の演出では鷺娘は必死に戦い抜いて襲ってきた悪鬼や禽獣、火炎を遠ざけておわります。」とメールで知らせてくれていました。戦う鷺の精に会いに上京しました。
番組が進み「鷺娘」。客席が真っ暗になり、少しずつ明るくなると、本格的な大道具の雪景色の中央に白無垢の娘が立っています。雪が降ります。明るくなると鷺の精である娘が踊り始め、傘、扇、手ぬぐい、鉄の杖と持ち物を変えて踊ります。衣装が一気に変わる「引き抜き」も、後見との息が合って見事でした。最後は娘の頭が長いざんばら髪になり、毛振りの所作もあります。最後は赤い段(荒事の最後に用いられる)に登って、大きく見栄をしました。
いやぁ。かっこよかった。20分踊り続ける体力、ストーリーを具現する演技力は、普段の稽古の結集です。引き込まれ、見惚れました。
着替えて出てくるKさんを待つ間、ロビーには続く演目の音曲が流れていて、長唄や清本と三味線の音に包まれているようで、ほんとうに幸せな時間でした。同い年の「孫が7人のばーば」が、きっぱりと娘になって大きな舞台で踊るのを見て心が踊りました。ロビーに出てきたKさんの周りにご家族が集まり、お孫さんの一人が「すごかったね!」と見上げて話す笑顔に愛と憧れが溢れていました。ほんと、ほんと、すごかった。
国立劇場で踊りの会だなんて、素晴らしいですね!内容を見ると、歌舞伎そのものと想像します。相当後ろの席でしたが、私も何回か歌舞伎を見たことがあります。圧巻でした。
節子先生、素晴らしい時間を過ごされたのですね。
ゆきこっち〜!コメントをありがとうございます。
わたしは人間が自分の身体を使って表現するのを見ると感動します。踊りはMIを全部使っていると思います。
節子