ウクライナの子どもたちのオンライン授業54回目を振り返ります。
Title: You Are Smart in Many Ways
Date: April 20th, 11:00 Kyiv Time
Description: Each of you are different from anyone else. You learn in different ways and you are smart (intelligent) in different ways. Your preferences for work are important for your future. Join the three lessons and find out what makes you special by discovering Learning Styles, The Theory of Multiple Intelligences, and a wide spectrum of future jobs to choose from.
4月20日 Multiple Intelligences
3回シリーズの2回目は多重知能理論です。前週1回目の学習スタイルの授業がair alert(空襲警報)で中断されましたから、今回は万全を期し、授業の前半に重要なことをどんどん話してしまおうと計画しました。
zoomで繋がった9年生の教室のウィンドウはほぼ真っ白で、教室の電気を消してもダメで、コンピューターの設定の不具合なのでしょう。色々調整して、生徒が手を挙げたり動作をするのが見える程度になりました。11年生は先週の半数の5人が個々にリモート参加していて、1人はカメラをonにしていますが、他の生徒は名前だけです。これは教える側としては、理想から程遠い状況ですが、戦時下の学校ですから、とにかく開始しました。
9年生の教室のマイクがonになっていて生徒のおしゃべりや物音が聞こえる状態でWord Smartの解説まで進めました。ここで、モデレーターのKさんが「Setsuko sensei, could I interrupt? アドバイスして良いですか?教室をミュートにして進めましょう。」と提案してくれました。よかった。ホッとしました。co-hostの私は、教室のウィンドウの上部にあるミュートボタンを押すことが出来るのですが、それに気が回らないのです。
MIの授業は、2月に別の学校の8年生を対象に行いました。その時は私一人だったのですが、今回は彩子先生とteam teachingです。前日にzoomで会って打ち合わせをし、8つのSmartの実例を検証しアップデートしました。そして、8つのSmartを彩子先生と交代して解説することにしました。
Word Smart: Haruki Murakami
Logic Smart: Fibonacci numbers
Art Smart: Banksi
Body Smart: Shohei Ohtani
Music Smart: BTS
People Smart: Andriy Shevchenko
Self Smart: Malala Yousafzai
Nature Smart: Greta Thunberg
解説を進めると、ウクライナのティーンエイジャーは、これらの実例のほとんどを知りませんでした。実は、先日イギリスの編集者とメールをやり取りしていて、黄砂でたいへんでマスクを外せないと書くと、What is the yellow sand from China?と返信があり、そうかぁ、ヨーロッパではアジアの黄砂のことなんて知らないのね、と実感したところでした。世界は広い、ヨーロッパもスラブ圏も遠いのだわ。
Logic Smartの例題 Fibonacci numbers(フィボナッチ数列)というのは、1、2、3、5、8のように2つの数字を足すと次の数字になるという数列です。唯一カメラをonにしていた11年生が、この数列の仕組みに気づいて手を挙げて発言し、次の数字は13であることも正解しました。今回の授業で常時表情を観察できた唯一の生徒が積極的に参加して正解して嬉しそうでしたから、それだけでも、よかったと思いました。
授業は、生徒たちが自分のベスト3を選んで、MI Pieに丸をつけるところまでは進めることができました。その後、私と彩子先生のベスト3をスライドで見せて、解説をしていると、9年生の教室に動きがあり、前列の生徒たちがカメラに向かって手を振って出て行き、見たことがない生徒たちが入ってきて着席しました。
さらに、インターネットの接続が不安定らしく、一旦学級のウィンドウがフリーズし、消え、復活すると、それはスマホで接続していることがわかりました。この時点で50分くらい経過していたので、終わるしかありません。「今日の内容を活かして勉強を続けてください」と話して授業を終えました。
授業後、モデレーターと彩子先生と私の3人で数分振り返りの時間を持ちました。ウクライナではクラスを半分に分けて授業をすることが多いので、後半は別の教室で別の授業を受けていた生徒たちが入ってきたのであろうということでした。
3回シリーズは来週Jobsを扱うので、それまでに、状況を把握して、授業時間を変更することも考え、また授業を40分程度に短くすることも考慮することにしました。
オンライン授業では、何が起きるか予測できないので、ウクライナ人のモデレーターに大きく頼ることになります。Kさんはいつも冷静で頼りになります。21歳の若さで、英語はウクライナ国内の教育で出来るようになったそうです。建国32年の若い国ウクライナの英語教育は既にKさんのように英語で仕事をする人を生み出しています。そのことに大きく感銘を受けます。