古稀日記 2024年9月13日 【climbing walls to stop home runs】

ストライクとボールの違いもわからない野球オンチだったのですが、少しずつ見えてきました。BSの野球中継はアメリカの映像を使い、NHKのアナウンサーと元野球選手の解説者の二人の会話・解説が流れます。球種やバッテリーの意図分析など私には專門的過ぎてわからない解説者もいる一方、居酒屋でテレビ見ながら適当なコメントしているおっちゃんのような解説者もいます。どっちもよくわからないので、音声を英語に切り替えてみると、ものすごい量の情報を早口でたたみかけるので、難しい。結局ひーさんに説明を求めます。夫婦の会話が増えています。

メジャーリーグは派手な選手が多くて眼福です。超長髪・長髭で「ジーザス・クライスト・スーパースター」の舞台にそのまま主演できるような人もいるし、ドレッドヘアあり、タトゥー満載、派手なネックレスじゃらじゃら。そして、みなさんずっとガムをかんでいらっしゃる。異文化ですわ。ドジャーズは日本の高校野球みたいに髪を刈り込んでいる選手が多く、ヘルメットから髪が出て風になびいているのはグラスナウ王子くらいです。

野球は、投げる→打つ→走る→取る→投げるスポーツだと思っていましたが、「止める」というアクションがあることがわかって驚きました。外野手が観客席ギリギリの地点でジャンプしてボールをグラブに収めてホームランを止めちゃうではありませんか。鳥か!

私の「目から鱗」スーパープレイはキアマイヤー選手でした。8月11日、対パイレーツ戦でセンターを守り、スタンドに入る直前のボールを大ジャンプしてグラブに収め、そのあと壁にぶつかり、反動でグラウンドに転がりました。(壁はクッションで保護されている)観客もドジャーズの選手も拍手。失点を防いでもらって大喜びの投手ライアン(川ちゃん)が映し出され、口の動きを見ると「Oh my goodness!」と言っていましたわ。

この日は試合後にキアマイヤーはNHKの現地インタビューに答えました。このインタビューアーは、短時間で質問と通訳の両方をこなすために超早口で、かなり端折って訳します。完全な誤訳をするときもあります。

【NHK Interviewer:Your super catch. On the top of the 4th inning. Tell me about that play.

Kevin Kiermaier:That’s my bread and butter over there. That’s what I’m best at. I know that’s why they brought me over here. So, for me, I want to show these guys what I can do. But I got a good read on the ball. Ball hit over my head. I knew I was gonna hit the wall. I wanted to make that catch to show my teammates what I can do. I knew I was gonna hit the wall. But it didn’t hurt bad. The crowd gave me a nice ovation. So I love making plays.

NHK:4回表のスーパーキャッチですけども、私は守備を求められてきたとわかっています。だからこそ、チームメートたちに自分の守備力を見せたかった。壁にも当たらずにうまくプレーができて、しかもチームメートに見せられて非常に良かったと思っています。】

「壁にも当たらずに」には驚きました。キアマイヤー本人がI knew I was gonna hit the wall.と2回言っていますし、試合を見ていたなら、壁にぶつかったのは見えていたはずなのに。

誤訳とは言えないミスもあります。大谷選手の通訳のアイアトンさんは、8月24日の大谷選手が40/40を達成した試合後のインタビューでは、ワトソンさんの質問を訳し切れていませんでした。大谷選手が40盗塁を決めたセカンドベースがプレイ直後に引き抜かれ、ドジャーズの正式記念アイテムとして保存されたことを知らなかったようです。

【Kirsten Watson: With your 40th stolen base, we all wanted you to pick it up and put it over your head. What was your reaction to it? And how special is that for you?

アイアトン:40盗塁目ってことも40本っていうのもすごく光栄なことだと思うんですけど、どう思いますか?

大谷翔平:まあ、それ自体が目的になっているよりかは、勝つための手段として一つそういう記録が作れたっていうのはすごく大きなことかなと思います。

アイアトン:It’s more about the winning. Obviously, the record is a part of the process.  But I think the most important thing is winning the game.】

ううむ。セカンドベース云々は全く言及されていない。2つの言語の間を取り持つのは、難しいことです。

コメント (2)
  1. 節子先生

    試合のある日は、私も毎回のようにドジャースの試合を見ています。でも、英語の解説は恐らく私には聞き取れないかと・・・( ;∀;)
    改めて、節子先生の凄さを感じます!大谷選手は記録は出し続けていますが、チームの為にという風に言っていた気がします。それが誤訳されると嫌ですよね。タトゥーをしている選手が多いのは驚きますが、ガムを噛むと集中力や判断力が高まる効果がある、と聞いたことがあります。唾を吐くのも何か理由があるのでしょうか?!

    私も以前は野球を全く理解していなかったのですが(現在もイマイチ、良くわかっていません)、父、兄、妹の影響で福岡の球場まで足を運ぶまでになっていました。偶然見に行った試合で、槇原投手が完全試合を行いました。その時の試合が全く面白くなくて、一緒に行った妹に「帰ろうよ」を連発して顰蹙を買いました。後で知ったのですが、記録に残る試合だったのですね。

    ”大谷愛”は節子先生には負けますが、これからも日本国民のためにも頑張って、と大谷選手とドジャースを応援していきたいと思います。

  2. 外山節子 より:

    ゆきこっち〜! コメントをありがとうございます。福岡の球場で素晴らしい試合をご覧になったのですね。すごいすごい。その試合が面白くなかったというのは、わかります。取ったり取られたりハラハラの方が面白いですものね。

    野球で、知らないこと・わからないことがいっぱいです。直近では、「振り逃げ」「フィールダーズチョイス」というのを見て、なんだなんだとひーさんに解説してもらいましたけれど、完全にはわかっていません。えへへ。

    ドジャーズのエドマン選手に注目しています。お母さんが韓国出身とわかって「推し」なんです。エドマンが打つと「お母さん喜んでいるだろうな」と思って、声に出して言ってしまう贔屓の引き倒しです。(^ ^) 節子

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