私は気に入った映画やドラマは繰り返し見ます。映画の場合、本編の台詞だけでなく、特典オーディオのコメンタリーまでほぼ全部聞いて知っています。韓国ドラマの時代劇は役職の名前など特殊な単語が多いのですが、次の場面の台詞が予測できるくらいまで繰り返し見ても飽きません。「サイムダン~色の日記」「七日の王妃」「王になった男」「トンイ」「チャングム」のディスクがあれば、ずっとお籠りできます。
「王になった男」は、15代王光海君(クヮンヘグン)をモデルに作られた映画をテレビドラマにしたものです。王はヒゲをたくわえているのですが、このドラマの王はヒゲなしの素顔です。ヨ・ジングが二役を好演しています。王に顔がそっくりな大道芸人のハソンが、数日間王のふりをするはずが、本当に王になってしまうという設定です。ハソンは夜遅くまで仕事をする羽目に。
「王様ってこんなにたいへんだと知らなかった。書類が山ほどあって、全部読んで決定しなくてはならない。」という場面で、「ふ~ん、そうなんだ」と思いましたが、朝鮮王朝の様々な本を読んで納得できました。
王は夜明け前に起きて、王大妃(前代王の未亡人)に挨拶に行きます。前々大王の未亡人が存命なら、そっちにも挨拶に行きます。えらいこっちゃ。それから便殿(ピョンジョン:メインオフィスのこと)で本日のアジェンダの説明を受け、朝参(チョチャム)という会議を仕切ります。そのあと学者を講師に勉強します。午後もオフィスで公文書を読んだり、大臣たちと会います。夕食後はまた未亡人たちに挨拶に行きます。そのあと上訴文を読んで、就寝は10時ごろです。
こんな生活で、どうやってお子をお作りになったのかわかりません。短命な王が多かったのは、政変のためだけではなく、過労の上、美食で成人病だったのでしょうね。