子どもの頃、講談社少年少女世界文学全集を夢中で読みました。離れて住む祖母が注文して手配してくれたもので、最初の配本と一緒に組み立て式の専用本棚が届きました。毎月2冊か3冊届き、本棚がいっぱいになっていきました。ギリシャ神話で始まり、赤毛のアン、ガリバー、ロビンソン、飛ぶ教室、点子ちゃんとアントン、そして最後のほう配本の日本文学の巻で「坊ちゃん」を読んだのを覚えています。子ども時代に、さまざまな名作を読んだことは、その後の読書の基盤になったと思います。同世代の友人の多くが「うちにもあった。読みました。」と言います。そういう体験を孫たちにもと考えるようになりました。
半世紀以上前の全集は、当然のことながら絶版ですが、講談社が「21世紀少年少女世界文学館」という24冊セットを出版しているのを見つけました。この夏遊びにくる孫たちのために、まずは我が家に1セット備えることにしました。
先週「あしながおじさん」を読んでみました。60年前に読んだ本ですから、おおまかな状況しか覚えておらず、大部分が初見のように新鮮です。
ジュディが「ハムレット」を読み、自分がオフィリアになってデンマーク王妃として幸せに暮らすと想像をします。自由な発想ですね!そこに「王さまもお妃さまも死んでしまったのです。海で遭難したので、お葬式の必要がありません。」というくだりを読んだ瞬間思い出したことがあります。小学校高学年(だったと思う)の私は、この部分を読んで、母のところに飛んで行って、「お葬式の必要がないのは良いよね」と興奮して話し、母はとてもイヤな顔をしました。その時は理解できなかったのですが、母にしてみれば「お葬式の要らないようにしてね」と言われたと同じでした。子どもは、考え無しです。
さて、子どものときは考えもしなかったことですが、日本語訳が素晴らしいので、これは原文でどんな英語なのだろうと思うことしきりでした。そこで原著を買いました。素敵な英語です。ふむふむこういう風に表現するのね、感心・納得しながら読んでいます。