【BOOKS:Journeys】writing a listening and speaking textbook 9月9日

Journeys 1 Listening and Speakingは、私が初めて執筆した英語のテキストです。1993年の秋だったか、朝電話が鳴って出てみたらアメリカからでNancy Baxerという気の合う編集者でした。Nancyが出版社の日本支社で活躍している頃、私も関連の出版社の仕事をしていたので仲よくなりました。Nancyのおじいちゃんは、ヨーロッパからアメリカに移民した時、文字がよく書けないのでBaxterとすべきところをBaxerと署名してしまいました。NancyはBaxerと自己紹介すると「Baxterじゃないの?」聞き返されるのよと苦笑いしていましたが、誰もが彼女の名前を瞬時に覚えるのでした。

そのNancyが「あなたに仕事のオファーがあるの。」と話し出したので「ごめん、今息子のお弁当を作ってるの。あとで電話してくれない?Could you call me back?」と電話を切り、お弁当を作って息子を送り出し、「やっちまった。電話がかかってくるわけない。仕事を逃したぁ。」と落胆して座り込みました。ところが、Nancyは、ちゃんと1時間後に電話をかけてくれました。

「3レベル、4スキルのシリーズの著者チームを作っているの。あなた、listening and  speakingのレベル1を書いてくれない?」

「私日本語の本は書いたことあるけど英語のテキスト書いたことないよ。」

「あなたできるわよ。You can co-author with a friend. What’s his name? Your JALT friend.」

「You mean Carl?

「Right. Could you give me his phone number? I’ll call him.」

のような会話があり、Nancyが「Lots of white space, Setsuko!」と何度も言うので、そーだねー、と思ってしまいました。結局、仲良しのCarl Adamsさんが「一緒に書こう。」と言ってくれて共著になりました。テキストを書くのは本当に楽しかった。

1994年のTESOL Conference会期中に、編集者と著者チームが集まってキックオフし、1997年に初版が出ました。

この写真を見つけてびっくりぽん。私若くてチャングムみたいです。Baltimoreにて。

共著者名の並び方ですが、Adamsが先になります。なんだか悔しいので、せめて私の名前をAdamsさんよりうんと長くしようと思い、Setsuko J. Toyamaとミドルイニシャルをでっち上げました。JはJuliaです。バネッサ・レッドグレイブの映画「Julia」が好きで、拝借したのでした。

Journeysは、長岡技大で英語講師をした数年間に自分でも使って、楽しみました。なかなかよくできているテキストです。おほほ。でも、Journeysの思い出というと、お弁当を作っている途中にかかってきたNancyの電話と、でっち上げのミドルイニシャルのエピソードです。

お時間がありましたら、Adamsさんと私が出版にあたって心を込めて書いた謝辞(acknowledgement) をお読みください。下記のボタンを押しますとご覧いただけます。

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