The Very Hungry Caterpillarは、蝶の一生を描いています。卵から孵ったあおむしがサナギになって最後は美しい蝶になります。
エリック・カールさんは、このサナギの段階をchrysalisという言葉を使わずcocoonとしました。cocoonという単語の響きが好きで、どうしても使いたかったのです。cocoonは繭です。蛾は変態の1過程で繭になりますが、蝶はサナギになるので、編集者に科学的に正確ではないからと反対されました。エリック・カールさんは調べて、繭を作って変態する蝶もいるので、cocoonとしたいと主張し、それが通ったのだそうです。cocoonという言葉を子どもたちが楽しんで口にする様子を見ると、主張を通したエリック・カールさんへの尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになります。
The Very Hungry Caterpillarの授業を小学校でしていると、生き物に詳しい子どもに「この絵はサナギで繭ではない。」と指摘されることがあります。そういう時、上記の出版前のエピソードを話すことにしています。
絵本の授業で時間が許されるときは、蝶の一生はmetamorphosis=変態であることを教えます。この時、chrysalisとcocoonの違いも説明し、作者がcocoonという言葉が大好きで使いたかったことを伝えます。
変態には、完全変態と不完全変態の2種類があります。完全変態は幼虫と成虫で姿が異なります。蝶は完全変態ですね。幼虫と成虫で姿が同じものは不完全変態と呼ばれます。トンボやセミは不完全変態です。
数年前、敬和学園大学の児童英語教育の学生が、変態を子どもにわかりやすいスライドショーに作ってくれました。
ダウンロードして活用してください。
※スマートフォンでダウンロードされる方へ
上記スライドショーは、スマートフォンでもダウンロードすることが可能です。
ダウンロードボタンを押しますと、別の画面に遷移します。「ダウンロードしますか?」という表示が出ますので、「ダウンロード」を押してください。
iPhoneの場合は、ダウンロードが完了後、画面右上に下向き矢印マーク(↓)が表示されます。マークを押すと、スライドショーが表示されます。