ウクライナの子どもたちとのオンライン授業10回目を振り返ります。
NGOウェブサイトの案内は「We will read “A New Dog”, a story about a dog finding a family or a family finding a dog. We will sing “I Want a Dog” song. If time allows, we will review the alphabet.」としました。
前回5月31日の授業でThe Wobbly Toothをkeynoteプレゼンで見せました。それがうまく行き、子どもが絵本をじっくり見ることができたので、今回のA New Dogもkeynoteプレゼンに作りました。対面なら指差して話を進めるところは、矢印や丸を出現させます。また、今回は話しかけではなく、本文を読んでいることが明確に伝わるように、本文の下に線をワイプさせました。
以前は絵カードをクリップアートの犬のイラストにしていましたが、今回は絵本以外は写真にすることで、絵本への集中を高めようと考えました。インターネットで検索した写真は意図に沿うものが少ないので、実写の写真を探しました。彩子先生のミロ、愛子先生の「まる」の写真を送ってもらいました。彩子先生が当日授業に参加してくださることが決まったので、最後に実際にミロちゃんを画面に登場させて子どもたちに紹介してもらうことにしました。「まる」は日本固有の芝犬でとても可愛いので、ウクライナの子どもたちには興味深いと思い、a hungry dog, a young dog, an old dogとして、keynoteに登場してもらうことにしました。また、去年2月22日(猫の日)に犬の天国に行った黒ラブの「はなび」が微動だにせずママを見上げている写真と英語カレンダーを見ている写真をa good dogとして使いました。a little dogは、夫の友人の呉服店看板犬です。こうして授業計画ができました。
子どもたちの反応は素晴らしくて、どんどん英語を言いました。犬は人間の友達です。授業のテーマが犬なので、それだけで子どもはリラックスして英語を話す意欲が湧いたのだと思います。実写のpersonalな写真の力も大きいと思いました。
この授業の半日後に「まる」ちゃんが犬の天国に行きました。17年のlife timeの最後にウクライナに立ち寄って子どもたちを笑顔にしてくれた「まる」ちゃん。ウクライナのオンライン授業を続けるようにと遺言されたように感じています。Everything has a reasonだと思います。
6月7日 オンライン授業 A New Dog
0)入室して子どもたちにHello!と手を振ると、「I have a dog in the house.」などとどんどん話しかけてくる子どもがいた。オンライン授業を楽しみにしていることがわかる。前回までより年上の子どもが多くいた。3年生以上に見える。英語を話すことにためらいが無い。後でわかったのだが、授業案内の対象年齢が8~12歳になっていた。この子どもたちの教育を止めてはいけない、と改めて思った。
1)Hi, everyone. I’m so happy to see you. I’m Setsuko. I’m your teacher today. ヤ・ヴクラダーチ。I’m in Japan. ヤポーニヤ。You have two teachers today. Setsuko and Ayako. 彩子先生が子どもに話しかける。It’s cloudy in Japan.と絵カードを貼ったウチワを見せる。sunny, cloudy, rainyを見せる。子どもたちはIt’s sunny!.と現地の天気を教えてくれた。
2)Good morning song.
3)Today we’re going to talk about dogs. Do you like dogs? Do you have a dog?と聞くとYes!と答えた数人の中にモデレーターのAさんがいた。まず、大人が英語で会話するのを聞かせるために、Aさんに質問を続けると「戦争で避難してきた親戚が犬を連れてきたので今うちに犬がいます。」という。3年生くらいに見える少女は「My dog is SKY.」と名前を教えてくれた。一生懸命話す。Sky is mallという。What color is your dog? Is it white?と聞くと、It’s white and black.としっかり答えて、とても満足そうだった。良かった!
絵本の表紙を見せ、Today we’re going to read this book. We’re going to see a lot of different dogs in this book. とa big dog, a little dog, a fast dog, a strong dog, a funny dogの絵カードを見せ、動作をしながら練習した。
4)画面共有して、A New Dogのkeynoteを見せた。Kipperの家族は前回でも紹介したが、今回初参加の子どもが多いので、Kipper, Mum, Dad, Chip, Biffを紹介した。Floppyも見せた。表紙のスライドでa big dog, a little dog, a dog singingに矢印を当てた。Can you find Floppy?と聞くとすぐにYes!と答えた。
P.1のKipperが読んでいる本は何かと問うと、イラストを見て、また、文字を読んでdogsと答えていた。ここで I want a dogのウクライナ語「ヤ ホーチュ スバーコ」と言い、Was it okay? Did you understand?と問うと、Yes!と答えてくれた。そこで、Kipper is thinking, ヤ ホーチュ スバーコ、I want a dog. So he’s reading a book about dogs.と念を押した。Let me read the story.と言って、本文の下にラインをワイプ出現させながら Kipper wanted a dog.と読んだ。
どのページも絵を見せて、話し合い、最後にLet me read the story.と言って下線をワイプ出現させながら読んだ。一緒に読んでいる子どもがいたので、Do you want to read with me?と聞き、再度本文を読んだ。ORTは子どもの読みを促進する力があると実感した。また、ヨーロッパの児童英語教育ではORTが使用されているようで、KipperやFloppyを知っている子どもがいる。
5)Did you enjoy the story? Good. Now we’re going to sing a song. I want a dog song.センテンスstripを見せ、 ヤ ホーチュ スバーコと言った。本日言えるウクライナ語はこれしか無いので、機会があると言って子どもの理解を確認した。 Do you know La Cucaracha? と聞くと、Yes とNoの両方返ってきた。It’s easy. I’ll show you.と言い、We’re going to sing “I want a big dog”とセンテンスstripを見せた。
I want a big dog. I want a big dog.
A big dog, big dog. (Clap! Clap! Clap!)
I want a big dog. I want a big dog.
I want a big dog. (Clap! Clap! Clap!)
Now, sing with me.と言うと、ノリノリで動作をしながら一緒に歌った。次にセンテンスstripを変えてI want a little dog.と歌った。
(注)“I want a big dog”を乗せるメロディーとしては、AlouetteとMary Had a Little Lambも候補だった。授業の二日前にぴろこさんとzoomミーティングをし、3種類聞いてもらった。ぴろこさんが、子どもに負担が少ないという理由でLa Cucarachaを選択。大当たりだった。
6)Now, let’s play a game. It’s a memory game. ボードにa big dog, a little dog, a fast dogの絵カードを貼ってある。指差して復習し、I’m going to hide one. と言って、画面の外でa little dogの絵カードを裏返した。裏には?が印刷してある。ボードを見せ、What dog is missing?と問うと、即座にLittle dogという答が返ってきた。表返して見せて、BINGOと言った。当たったので手を叩いて喜ぶ子どもがいる。One more time、と単語を復唱させてからa fast dogを裏返した。これも即座に当てた。もう1枚絵カードの順番を変えたボードを用意してあり、単語を復唱し、数秒間見せた。じっと見入っている。Have you memorized?と問い、a big dogを裏返した。これも瞬時に正解。これで、子どもが3つの単語を全部目的を持って何回も言った。
子どもたちが集中してルールを理解するし、ゲームを楽しんでいる様子なので、extraとして準備してあったMatching gameもおこなった。6枚の絵カードを、a big dog, a big dog, a little dog, a little dog, a fast dog, a fast dogと言いながら見せ、I have six cards. On the back I have numbers from 1 to 6. と見せて、言って聞かせ、ボードに1~6まで貼った。最初にNumber 1を開けて見せるとa fast dogと言う。Okay, what number is one more fast dog? と問うと何回か失敗したがNumber 5を開けたらThey match! 失敗しても、開けた絵カードの英語を言うので練習量が多い。そして、このゲームの間はミュートを外した子どもたちと瞬時にinteractionができていて、オンラインであることを忘れ、ストレスが全く無かった。今まではゲームをreview activity, speaking activityと意識し過ぎていた。今回は単語3つに限定したので、子どもは英語を復習しつつ、ゲームを楽しみ、「できた!」「当たった!」と飛び上がったり、両腕を挙げたり、手を叩いたりして喜んだ。
7)Now we’re going to look at different dogs.と画面共有してkeynoteプレゼンを見せた。子どもの反応は大きかった。絵本とゲームで覚えた単語だけでなくcute dog!のように知っている英語を自分の考えを伝えるために言う子どももいた。最後のスライドは彩子先生のミロの現在の写真で、I have a surprise for you.と言い、画面共有を外し、彩子先生にバトンタッチした。彩子先生がミロと一緒にウィンドウに登場し、ゆっくりとクリアな英語でミロの紹介をした。彩子先生が話している間、私はギャラリービューにして子どもの様子を見た。子どもは集中して聞いていた。とても嬉しそうだった。日本に住む先生と犬がウクライナ(国内外)のあちこちにいる子どもと繋がっていて、みんな他のことを忘れて楽しんでいる瞬間だった。
8)Alphabet Chant。チャンツの後、Dd dogを教えた。
9)Goodbye Song
アクティビティ(7)のdogsのプレゼンテーションをパワーポイントに変換しました。希望される方に差し上げます。