古稀日記 2026年11月8日 【autumn into winter】

11月第一週、庭木の雪囲いをしてもらいました。雪囲いの作業は毎年見とれてしまいます。玄関前の松は私の寝室の窓から見える高さです。その松のてっぺんに縄を結び、その縄を下の枝支えにします。この作業は重機を使って地上7メートルでおこないます。

さて、数ヶ月前「狡兎死して走狗烹らる」(こうとししてそうくにらる)という故事に目が止まりました。まずは全く読めず(脳内で音声化出来ず)、読んでも意味がわからず、調べても意味を理解することができませんでした。調べたページをブックマークして頻繁に再読を重ねました。それほど深く引っかかってしまったのです。

「すばしこいウサギを全部捕まえたら、ご用済みの猟犬は煮られてしまう、つまり食べられてしまう」という意味です。犬が食用に煮られるというのは強烈な印象です。「役目を終えた部下はもう不要なので捨てられる」という文脈で使われます。私は政治で起きていることを想起しました。ご用済みの政治家がポストを追われる図です。アメリカの中間選挙で民主党が大勝しました。烹らるる犬は誰になるか注目しています。(これを書き始めたらワイルズ氏が解任された)

私の父は一言居士でした。何かにつけて、ことわざ、故事、四字熟語を口にしました。「温故知新」のような高尚な言葉も、「敵もさる者ひっかく者」のような親しみ深い言葉も、父の声で聞いた記憶があります。

子どもは抽象的な物事をよく理解できません。小学生の私は講談社少年少女世界文学全集の配本「若草物語」を読んだとき「必要は発明の母」という表現を読んでさっぱりわかりませんでした。ずっと後になって高校の英語読解の分厚い参考書を片っ端から暗記させられ、そこで「Necessity is the mother of invention.」に遭遇し、「あ、これのことか」と合点しました。冠詞のつかない名詞の1つが抽象概念であるという項目だったと思います。「Hunger is the best sauce.」(空腹は最高のソース)もこの部類です。

「三つ子の魂百まで」ということわざも、子どもの頃は「なぜ双子ではないのだろう」と思っていました。これもやはり高校の参考書でWhat is learned in the cradle is carried to the grave.を読んで、そういうことかとわかりました。普通名詞にtheをつけることで抽象概念を表すという項目でした。the cradleは揺かごですから幼年期。the graveは墓。to the graveは、死ぬまで。幼年期に身につけたことは一生変わらない。

私の母は段取りの良い人で「どこかに行くときは手に何か持って行きなさい。行きも帰りも用事をするのよ。」と教えました。2階に行くとき何か持っていくものはないかなど考える自分に「三つ子の魂」を感じます。ただし、この三つ子は高齢になり、階段を登り切ると、あれ何をしにきたかといぶかること頻り。やれやれ。

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